無垢のテーブルは高級で重くて、取り扱いがめんどくさそうというイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかし、長い目でみればこれほどテーブルに向いている材料はないと私は思っています。そこで突き板やメラミンで作ったテーブルと無垢板で作ったテーブルの違いを説明していきます。
無垢板は削れば新品同様
ダイニングスペースの中心にあるテーブルとは普段から家族が集う場所。
家族で食事をしたり、お子さんが勉強したり、お母さんが家計簿をつけたり、、、
そんなテーブルの天板は1~2年経つとどんなに気をつけていても傷がついてしまうものです。
ペンで引っ掻いてしまったり、鍋を置いて焦がしてしまったり、皿を落としてへこんでしまったり、、、
そんな積み重ねで10年経てばかなり痛んでしまいます。
家具のエッジなどをぶつけて剥がれてきているのを見たことはないでしょうか。
突き板などのテーブル場合は深い傷がついたときに下地材が見えてきてしまいます。
工場の事務所の扉の建具を見たらこんな風に剥がれてきていました。
突き板の場合は薄いシートが貼ってあるため、削ると下地のラワン合板が透けて見えてきてしまいます。
一方、無垢板の場合は中まで全部同じ色なのでこのようなことは起こりません。
もし無垢板のテーブルであればカンナなどで削り直して新品同様に直すことができます。
また細かい傷であればオイル塗装であればご自身で補修ことができます。
無垢は頑丈(ただし作りがしっかりしている場合)
おそらく屋内使用であれば無垢のテーブルは100年以上使えると思います。たとえ痛んでも直すことができるからです。
ただ無垢板だから長く使えるかというとそうとも限りません。
こんなテーブルを見たことはないでしょうか?
東南アジアのアンティーク調のテーブルだと思うのですが定規をあててみたところ大きく隙間ができてしまっています。裏面にはネジどめがされていましたが反り止めのあまり効果がないようでした。
木は常に湿気を吸ったり吐いたりで収縮をくりかえしており、100センチだったテーブルが梅雨の時期には101センチになったりします。特に日本の場合は四季があり湿度の変化が大きく、木にとっては過酷な環境なのです。輸入した家具などは特に注意が必要です。
そこでしっかりと反り止めを入れることが重要になってきます。
当店では家具の特徴に合わせて様々な反り止めをいれています。
例えばこんな風に、、、
「吸い付き桟(すいつきざん)」と呼ばれる反り止めで最強の反り止めだと経験上感じております。昔の木の鍋の蓋などにこの反り止めが入っています。木の収縮に合わせて吸い付き桟がレールのようにスライドするので板に無理な力がかかりません。この反り止めが入っていて大きく変形している天板は見たことはありません。ただ加工の際には1/100ミリの精度が必要なので気を使うし手間はかかりますが大きな天板を作る際には効果的な方法です。
当店のエクステンションの丸テーブル場合はたくさん反り止めが入っています。
めちゃくちゃ大変なんですが必要なんです(泣)
その他に天板が小さい幅であったり、ビス留めでも問題ない場合もありますが必ず木が収縮することを考慮にいれて設計する必要があります。鉄の脚に無垢の天板などはネジがスライドできるような隙間を作ったりして反りをうまく逃すようにします。
無垢の家具を選ぶ際には必ず反り止めがどのようになっているか見てみてください。家具屋の心意気を感じ取ることができるでしょう。
無垢板のテーブルは角がやさしい。
突き板や化粧板で天板を作る場合は角が立ってしまいます。無垢のテープ状のものを貼って成形しているからです。
テープよりも厚い無垢材を貼って成形することもできます。
例えばこのコタツテーブルの場合は無垢材を貼り付けています。
一方、無垢の場合はこのようなことを全く考えず角を丸く削ったりすることもできるし全体を円形にしたり涙形にしたり形は自由自在に作ることができます。特に角が丸いテーブルなどは小さなお子さんがいる家庭では安心して使える作りです。
もちろん角をぴんと立ててクールな印象に仕上げることもできます。
無垢×オイル塗装は安心
当店では食品安全衛生法に合致する自然由来のオイルを使っています。
もし、ペッドが噛んだりしても安心です。シックハウスとも無縁です。
無垢材は経年変化が美しい。
右が製造直後の色、左が半年後のものです。木は人間と同じように日焼けをします。時間が経つほどいい色になってきますので経年変化も無垢の家具を使う楽しみの一つといえそうです。
山桜などチェリー系統の木材は経年変化が大きく、育てていく感覚が大きい木材です。
いかがでしょうか。
少しでもテーブルをお選びいただく際に参考になれば幸いです。