日本人は木が好き?
日本人は素材をそのまま生かす文化を持っています。和食では食材の味を生かすように薄味で旬や四季の移ろいを大切にします。お部屋についても西洋はペンキなどで自分色に染め、重厚な扉で身を守る家が多いですが、日本の伝統建築は梁、柱などを木肌をそのまま見せる作りが一般的で、障子などの建具で曖昧に仕切ることで外との境界をなくし、家の中に自然を取り込もうとしました。城壁の作りも特徴的で西洋では焼き物で均一な形のレンガ作り、規則正しく積むのに対して、日本では自然のままの石の形を生かして独特の城の石垣作りを行いました。
このように日本人の心の中には素材をそのまま生かそうとする文化が根付いています。
いろいろなものから生命力を感じとっているからでしょうか。
木は特に古来より、日本の生活の中に道具、家、薪などとして深く入りこみ、切ってもきれない関係でした。しかし、今の時代コンビニや店舗や新築の住宅でも木目柄は見ますが本物の木を使ったものを目にすることはめっきり少なくなってきました。もう一度、見た目だけの木ではなく、リアルな木の生の感触や香りを、呼び戻してみてはいかがでしょうか。
私が作るときに無色透明のオイル仕上げが一番しっくりくるのも木のもつ生命力を生かしたいという日本の心が影響しているかもしれません。