オイル塗装とウレタン塗装の違い

家具をオーダーいただく際に塗装方法の違いについて説明することがよくあります。そこでこのページでは塗装方法の違いについてご説明いたします。

オイル塗装

オイル塗装はその名の通り木に専用のオイルを塗って仕上げる塗装方法です。オイルが木に浸透しますので塗膜が薄く木の質感や手触りを損なわないナチュラルな塗装方法になります。表面は濡れ色になり、時間が経つほどにいい風合いに変化していきます。

最近では木の触感を感じられるので無垢のフローリングなどにもオイル仕上げのものが多く出回るようになっています。またユーザー様自身でメンテナンスが可能で浅い傷などがついた場合でも補修することができます。(大きな傷、深い傷は補修が難しいため、ご相談ください)

一方、オイル塗装は塗膜が薄いためウレタン塗装に比べて導管などに汚れなど入りやすく、定期的にオイルを塗り直しが必要になります。また、突き板を使った家具の場合は表面の保護膜が薄いために傷がついた際には補修が困難になることもあります。

・メンテナンスについて

オイル塗装の家具は時間が経ったり、頻繁に水拭きをすることで表面の油分が取れて徐々に艶がなくなり乾いた感じになってきます。使用頻度にもよりますがテーブルなどでは1年に一回程度オイルを塗り直すことをオススメします。また、細かい傷などはオイルを塗る前に320番程度の木工用のヤスリを使い磨き直します。

メンテナンス方法ですが専用のオイルを柔らかい布などに染み込ませ、均一に薄く、円を描くように塗っていきます。均一に塗れたら木目に沿って余ったオイルを拭き取ります。乾燥までには丸1日程度かかります。毒ではありませんが少し臭いがありますので換気をすることが望ましいです。また、1ヶ月程度は湯呑みなど熱いものを直接置くと輪ジミができることがありますので注意が必要です。

[当店で使用している専用オイル]

○ウレタン塗装について

ウレタン塗装はイメージに合わせて着色や艶なども自由にコントロールすることができる塗装です。下のオーディオラックはナラのウレタン塗装、着色で仕上げたものです。「ナラそのままの色だと少し明るすぎるのでもう少し落ち着いた色合いにしたい」などご要望に合わせて色をつけることができます。

下の食器棚はウレタンの塗膜を薄くして、艶消しのマットな質感を作り、オイル塗装風に仕上げています。

ウレタン塗装は突き板を使った家具など塗膜が必要なものに向いています。また、メンテナンスも必要なく傷などが付かなければいつまでも綺麗な状態を保つことができます。また、耐水性も高く、輪ジミなど熱いものにも強いため、気を使わずに使用することができます。

一方、ウレタン塗装は木の表面を樹脂でコーティングする塗装なので手触りなどは木というよりもプラスチックなどに近い感触です。傷がついた場合などは補修は家具業者でしか行えませんので長く使うと傷が気になってくるのかもしれません。

まとめ

最後に各塗装の特徴を表にまとめましたので是非ご覧ください。